時計を見るともう9時。

もうそんなにたったんだ…

私はコウに少し待ってと一声かけて、

おっちゃんに部屋を借りれるか聞いた。

そしたらおっちゃん、

当然のように、

「君たちの部屋はとうに用意出来てるよ」

だって。

ご丁寧に四人全員部屋が違うみたい。

…断ってたらどうしてたんだろう…

とは思ったけど、タイミング的にありがたかったので、

お礼を言って部屋を案内してもらった。

…あのイケボ男に。

コウはもううとうとしてて、

歩くのもままならないような状態なので、だっこして、

幸子達を引き連れて部屋へ向かう。


「…こいつら、お前の弟と妹か?」

え、なにきゅうに…

「そうですけど…。」

「ふーん。お前と違ってかわいいな」

…えっと、、

誉めてる?それともけなしてる?

まぁいいか。

ブスでも可愛くもないこの顔を、

かわいいって言えない素直な人なんだね、きっと。

ま、でも、

「三人が可愛いのは今さらです♪」

昔も今も可愛すぎる…♡


うへへへへ

とちょっと昔のことを思い出して笑ってしまった。

ブフッ

…ん?

目の前の男が…笑った?

「今、笑いましたよね!?」

いったい何で笑ったのよ!?

「いや、笑ってない…。」

またきりっとした顔をして否定してきた

あれ、笑ってないのか?

…いや、私は見た。

笑ってた!

「何で笑ったのよー!?」

ってちょっと叫ぶと、

眉間にシワを寄せた男は

「しつこい。笑ってない」

と。

ウソつき!

ってすねたかったけど、

それどころじゃないからやめた。

なんでかくすのかなぁ…

笑った方がかっこよかったのに。

もったいないなぁ…

「ここだ。」

そう言って扉を開けてくれた

「あ、ありがとうございます」

と一言言って、

急いで布団をひいて、

コウを寝かせた。

あとの二人を部屋へ送ろうと思ってコウの部屋を出たら、

コウの泣き声が聞こえた

慌てて戻ると、

コウのことを見て挙動不審になってるイケボ男がいた。

…ぶっ!

思わず笑っちゃったら、

イケボ男が睨み付けてきた

おぉ、それよりコウだね!

「コウー?どうしたー?」

私が声をかけたら、

フッと泣き止み

「いずねぇ、一緒寝よ?」

っていいながら小さい手で私の手を握ってきた。

「あー、寂しいか。よし!今日は一緒に寝ようね!」

何て言ったら、

幸子達も抱きついてきて、

「「私もー!」」

って。

結局川の字で寝るのね。