パーティーが始まり、
回りは雑談したりなんだりで、
すごい楽しそう。
一方私は、
頼みの綱である龍之介さんが用事があるといなくなってしまったため、
一人ポツンと端に立ってる。
む、虚しい…
けど、ここはなんとか一人でやり抜けなきゃ!
と、心に決めるのはいいけど、
何をすれば良いのか、
全くわからない上に
テーブルマナーすら知らない私は
食事をすることもできない。
はぁ、どうしよう…
なんて一人で悩んでたら、
奥の方がざわめきたった。
不思議に思ってそっちへ向かう。
群がる集団の後ろから頑張ってみてみると、
龍之介さんが誰かと社交ダンスをしてた。
相手は…
奈美恵さんかな?
なんて思ってみてみたら
この前の文化祭の女の人。
…なんでだろ。
いつもみたいにモヤモヤしない。
その代わりになんか、
孤独な感じがする。
あの二人が本当にお似合いすぎて。
この前みたとき以上にお似合いすぎて。
私がダンスをみてることに気づいていない龍之介さん。
二曲踊って、女の人を椅子へとリードする。
そして、そこの横に座る。
女の人は、妖異な色気と大人の雰囲気を纏って、
にこやかに笑いながら
綺麗に食事をし始めた。
彼女をみて、
自分と比べてしまう。
私はテーブルマナーもできないのに、
彼女はあんなに美しく食す。
私はダンスなんて踊れないのに
彼女は龍之介さんと見合うようなダンスをした。
私の笑顔なんか比べ物にならないくらい、
おしとやかで、癒されるような、凄く素敵な笑顔を振り撒く。
わかってたよ、
わかってた。
彼女はきっとすごい人だってこと。
けどやっぱり、
今の私じゃ絶対に太刀打ちできない。
そう考えたら、
龍之介さんの隣にいることが恥ずかしくなった。
あんなにも嬉しくて、幸せだった場所が、
苦痛でしかなくなった。
龍之介さんのことは大好きなのに。
ほんとに大好きなのに。
けど、隣にいたくないんだ。
せめて、彼女のような女性になるまで…。



