「ん。」

龍之介さんはそう言って手を出してきた。

…?


意味がわからず首をかしげてたら

ぐいっと手を引かれた。


あ。


手をつなごうってことか。

なんか、照れる…

思ってた以上に手が大きいんだもん。

それに、暖かい。

それにそれに…

恋人繋ぎだからかな、

すごい密着してる

ドキドキする…

胸がキューってなる。



龍之介さんに連れられ食事場へ行くと

なんかガヤガヤしてる

いつもガヤガヤしてるんだけど、

なんか、いつもと違う。


私たちが扉を開けると、

「うぉぉぉぉぉぉ!!!!」


ってゆう雄叫びとか

「若ァァァァァ!!!!」

とか、

なんか色々すごい。


私たちのところに蓮司さんがやって来て、

「おめでとうございます」

って。


…あれ、

付き合ったことばれたのかな?

って思ったけどそうだよね。

恋人繋ぎしてるんだもん、

わかるよね。

なんて納得してたら、


「いずちゃん、龍之介。」

おっちゃんに声をかけられた。

私たちの視線がおっちゃんに向いた。

「龍之介、いずちゃんを幸せにしろよな。」

おっちゃんの顔はいつになく真剣で、

おっちゃんの優しさが身に染みた。

「言われなくてもそのつもりだ」

龍之介はそう言って繋いでる手をぎゅっとした。

即答してくれたのが嬉しくて

心の中でハイテンションになってたら


「いずちゃん、」


声をかけられた。


「は、はい?」

少し緊張しながらおっちゃんに返事をする

「多分、これから先色々あると思うけど、
見捨てないでやってね」

そう言って笑ってくれた

けど、そんなの当たり前。見捨てられるわけないじゃない。

わかってないなぁ

なんて思いながらもおっちゃんのそーゆーところが好きだったりする。

人を思いやれるところって言うのかな。

さすが、美人妻を手に入れた男!って感んじ?

そう思いながらおっちゃんを眺める。

すると、後ろから急に重りが。


後ろを確認するとそこには私を抱き締める龍之介さんが。

「…どうしました?」

そう聞くと

「…俺だけ見とけよ…」

そう言って分かりやすく拗ねた龍之介さん。


…え。

誰、この人。

龍之介さん、こんなかわいかった?ってか、分かりやすいくらいに可愛かったか?

何て考えてたら、

おっちゃんが、

「飯の前に酒を飲むなと何度言ったらわかるんだ!?」


って。

え、酒?

「もしかして、龍之介さん、酔ってるの?」


私が龍之介さんの顔を見て聞くと

「うるせぇな。酔ってねぇよ」

って。

いや、完全に酔ってんじゃない…


「一回酔いを覚ましましょ?」

言い聞かせるように言ったら

「やーだ。」

って。

ちょ、かわいいっ

なに、やーだって!

しかも少し顔赤いし、

今のでズッキュンって来たよ…


なんて、心の中で騒いでたら、

私の髪をしきりにいじりだした龍之介さん。

え、なに、、


「なぁ。チューしよっか。」

「え゛…!?」

私返事も聞かずに

強引に顎をあげ、唇を合わせてきた。

「んっ!?」

ちょ、こんなところで…っ!

って思うけど

嬉しい気持ちもあったり…。




……なんて!!!

そんなこと言ってらんないよ、

息できないよっ!!

私は慌てて離れようとするけど、

頭の後ろと腰をしっかりと捕まえられてるから、

動くに動けない。


…っ!

もう無理…

酸素を取り入れるため口を開けると

中になにか温かくて柔らかいものが…


「んーー!?!?」

声にならない声をあげても、

やめようとしない龍之介さん。

むしろそれは激しくなって、

口内を暴れまわる。


「ん…」

だんだん頭が白くなっていく。

なにも考えられないよ…

からだの力が抜けていき、

龍之介に寄りかかるように立ってるのが精一杯。

何時間たったんだろ?

そんなに立ってないかもだけど、

頭がおかしくなりそ…

「いいかがんにやめんか!」

と、おっちゃんが止めるまでずっと、

龍之介さんはやめなかった。

むしろ、おっちゃんが止めようとしてるのに無視しようとしたから

おっちゃんに怒られてた。