厨房にはきれいなお姉さんがいた。

多分20代くらい…。

「あ、こんにちわ、和泉です」

「あらー!こんにちわぁ!私、ここのお頭の妻です♪」

…え、おっちゃんの奥さん?

いや、違うよな!

きっとおっちゃんの息子さんの奥さんだな!

きれいだなぁ…

なんて思いながら見とれてると

不思議そうな顔をして声をかけてきた

「あら、どうしたの?」

「え、いや、なんでもないです!
なにすればいいですか?」

いや、見とれてました何て言えないじゃん!

「そうねぇ、じゃあ、これでなにか作ってくれないかしら?」

そう言って渡してきたのは

キャベツ

ひき肉

…以上。

これで作るとしたらロールキャベツくらい?

「…すいません、調味料適当に使っていいですか?」

「もちろんいいわよ」

と、笑顔でのお答え。

てことで作り始めた。

…こんなこといっちゃいけないのかもだけどさ、

奥さん、料理できない?

いきなり生野菜で食べる予定のキュウリを茹で始めたり…

千切りが大口切りになってたり…

てゆうかそのまえに

包丁の使い方が危なすぎる…

私はできるだけ楽な仕事を奥さんにやってもらい、

自分でほとんど…いや、全部の料理を作った。

もちろん、片手をかばいながら。

さっき洗い物をしようと思って腕まくりしたけど、

結構赤くなってた。

これはやばいかもしれない

とは思ったけど、

ばれないように隠しながら仕事を続けた。