ヤクザの家族になっちゃった!?



「「い゛、い゛ずね゛え゛ぇ゛ぇ゛」」


そう、泣き叫びながら抱き締め返してきた

幸子とこう。

美幸は

「私ね、頑張ったよ…!
いっぱいいっぱい怖かったけどね、
でもね、頑張ったよ」

そう、涙目で訴えてきた。

そんな美幸の頭をぽんぽんと撫でて

「ご苦労様。よく頑張ったね」

そう言って笑うと

解き放たれたように泣き出した。


泣き声は次第にしゃくり上げているようにかわり、

三人とも落ち着いてきた。

龍之介さんはその頃を見計らってか、

移動する。とだけいって、

先に進んだ。

ちらちらとこっちを確認しながら。


龍之介さんが向かった先にあったのは

昨日泊まったコテージ。

「早くなかに。」

そう言って私達をなかに押し込み、

一番最後に自分も入る。


「他のみんなは…?」

龍之介さんにそう聞くと

「みんな向こうにいった」

そう、答えた。

大丈夫かな、

不安で仕方ないんだ。

折角暖かい家族ができたのに

これがまた壊れてしまったらって考えたら。


怖くて仕方ない。

そんな思いが表情に出てしまっていたみたいで

龍之介さんが、私の手の上に自分の手を重ね

「あんな暴走族かぶれなんかに負けないから。
安心しとけ」

そう、言ってくれた。

これが確信のあることなのかはわからないけど

信じていたい。

彼らとまた、幸せに暮らせるように。