はっとして

戻そうとしたけど、

キラキラした顔でこっちをみてくるるり。

…あぁ。

るりはお揃いとか色違いとか好きだもんね。

「ちょっと試着してくる」

とだけ声をかけ、試着室へ向かう。

試着してはみたけど…


うん、なんか大人っぽすぎる気がする、

とは思うけど、彼が大人だ。

これくらい、普通かもしれない…。


なんて考え、それを買った。


あれだけ嫌だった海も、

少し、少しだけ楽しみに感じてきてしまう。

本当はコウたちも連れていきたいけど、

怖いから、連れていかないことにした。

お父さんの二の舞になってほしくないから…。