布団の中から黄色い目をした“何か”と目が合いました。


「ひっ!?」


少女はナイフを落として後ずさりました。


“何か”は、被っていた布団を剥ぎ取って、ベッドから起き上がってきました。

それは、明らかにおばあさんではなくー…


森の中で出会った“オオカミ”でした。


オオカミがおばあさんのふりをして、ベッドに潜り込んでいたのです。


「お、おばあさんは…?」

少女は震える声で言いました。


『お前がおばあさんを殺せと言ったんだろう?』


あぁ、そうだ。


少女は思い出しました。


「だけど断ったじゃない」

『お前をこの家で、待ち構えるためだ』


オオカミは楽しそうに言いました。


オオカミのお腹はまあるく膨らんでいます。