…ねぇ、拓巳？
あたしと付き合ってたら拓巳は幸せになれたの？
あたしはそれで幸せだったの？
翔くんは？
ホントに好きな人は誰だったの？
「拓巳？今日またいつもの場所で会える？」
「おう。」
そんな簡単なコミュニケーションをとった後、衝撃なる真実を聞いた。
「奏多？時間ある？」
同じクラスの愛美だった。
「あれ？愛美？うん…いいけど。」
「拓巳くんの話なんだけど。」
「拓巳の…？」
拓巳の名前が出た瞬間、嫌な予感がした。
「愛美は拓巳くんが好きなの。」
「…。」
「愛美ね…付き合ってるの。拓巳くんと。今日で2ヶ月。」
「そっか。お幸せにね。」
これ以上聞けなかった。愛美はきっと純粋に拓巳が好きなんだと思う。
ねぇ？拓巳？あたしが好きって言う拓巳は偽りだったの？…あたしには裕太くんがいるからいいけど。その時あたしには裕太という彼氏がいた。もちろん、好きという感情はなかった。…好きという感情を知らなかったという方が的確だろう。何が好きで、何が友達として好きなのか？何故こんなに幼いあたしが…恋をして、人を傷つけているのか。…恋愛は人を傷つけるものなの？違うよね？わからないよ？あたしには。
