キュッキュ…。
あたしの大好きな音。
バッシュが体育館を際立たせている。
いつまでも見ていたい。
大好きなリトを。
リトはキャプテンであり、すごい実力の持ち主だ。
リトがきて初めて全国に行った。
そして、そんなリトがあたしは好きだ。
いつも1人で夜遅くまで練習しているリトは、クタクタになるまで練習する。
それを待っているあたしは、飽きない。
何故なら、リトがバスケをする姿が1番好きだから。
いつも見とれてしまう。
大好きなリトに気持ちが伝わるまで、あたしはリトしか見ない。
「奏多。」
「…リト。」
「そろそろ帰るぞ。奏多、今日塾じゃねぇの?」
「ぇ…ぁ塾だっ‼︎間に合わなくなっちゃうよ…。」
「俺今日は帰らねぇから。」
「なんで?」
「メイコと約束ある。」
「…ん、わかった。またね。」
メイコ…それはリトの彼女だ。
しかし、メイコはリトを愛していない。
何故なら…メイコには本当の彼氏が他にいるからだ。
そう、リトは遊ばれてる。
だけど、言えない。
…嫌われる気がするから。
弱いあたしを今すぐ消しさって、リトに気持ちを伝えたい。
けど…リトはあたしなんかを好きにならない。
リト…大好きだよ…。
いっつも待ってるのは、マネージャーとしてじゃない。
一緒に帰りたいから。
だけど…あたしは一歩が踏み出せない。
怖いから。