隆司先輩へ



あ、いた。


靴箱のある生徒玄関を通り過ぎたところに、探していた人の後ろ姿を見つけた。



「隆司先輩!」



靴に履き替え外に出たところで声をかければ





「遅い」


不機嫌オーラ全開の隆司先輩が振り向いた。



ごめんなさいと謝れば


「いくぞ」


とまた歩き出した先輩の後ろをついていく。




「・・・」



何だろうか、このなんとも言えない微妙な空気は。



ってか、わたしと一緒に帰っても大丈夫なんだろうか。



野球部はともかく、ほかの生徒に見られたら誤解されてしまってもおかしくない。



そうでなくても普段から目立つ隆司先輩のことだ、噂はすぐに広まるだろう。




そうなって困るのは隆司先輩。



相手がわたしだと尚更、困るんじゃないんですか。



「オイ」




「・・・え、はい?」



いろいろと考えていたら急に話しかけられ隆司先輩のほうを見る