隆司先輩へ



いつも朝起きると電話は繋がったままで


どちらかが先に起きても



相手が起きるまで電話は切らない



それがいつものわたしたちだった。




「ん〜…」


この日目が覚めたのは、2:38という


なんともまあ中途半端な時間だった。



『ことは?起きたの〜?』



「うわっ!え、先輩?」


急にイヤホンから聞こえてきた先輩の声



『おまっ…うるせー。…ったく』


あ、ごめんなさい




素直にそう謝れば、まだ眠たそうな先輩の声は



『あー野球してーなー。』



そうぼそっとつぶやいた。



引退してから受験モードに切り替わった先輩たち。



「そうですよね。
わたしも先輩が野球してるとこ
また見たいです」


本心だった。心の底からそう思った。



『なーことは。
キャッチボールしよ』


未だに眠たそうな先輩の声は少し掠れていて


わたしの名前を呼ぶたび、キュンとする



「いつかしましょうね!」


先輩の受験が終わったら。


そういう意味でいつかって言ったつもりだったのに


『お前、したくねーならしたくねーって
そうはっきり言えばいいのに』


先輩は怒っていた。