2人とも、何も話さないので沈黙が流れる。


あたしは下着に、冬樹が投げてきた上着をただ羽織ってるだけ、、、


こんな格好で居るのに何もしてこないということは、あたしに興味もないのだろう。


「お前、行く場所がないのか?」


今まで黙っていた、冬樹が口を開く。


行く場所、、、


あたしには、帰る場所もお金も何もない。


あたしが物心ついた時には、親なんて居なかった。


世の中で言う、身寄りのない子。


だから、18まで施設で育った。


高校を卒業して、適当な会社に就職をして1人暮らしをしていた。


社会人になり仕事に慣れた頃に、あたしはハルと出会った。