「冬樹、お呼びだ」


冬樹とまた舌打をし、部屋を出て行った。


「あの、、、」

「あ、俺?俺は、省吾(しょうご)。よろしく」


聞いてもいないのに、名乗られる。


「で、君の名前は?」

「、、、葵(あおい)」


そう、あたしは嘘をついた。


あたしの名前は葵じゃない。


「葵」って漢字は名前に入っては、入るけど、、、


「葵ちゃんね」


そう言って、笑った。


「あの、「若」って、、、」


あたしは、さっき聞きそびれたことを聞く。


さっき入って来た男が冬樹のことを「若」と、呼んでいた。