こんな風にあたしに話しかけてくるような人、あそこに居なかった。


みんな、あたしがハルの女だと思ってたから、、、


何処か距離を取り、影で何か言う。


でも誰も、ハルに逆らうことはしない。


だって彼らにとってハルは、絶対的な存在だったから、、、


「どうする、冬樹(とうき)」


先ほど話しかけて来た男が、一緒に来た男に尋ねる。


冬樹と呼ばれる男は、あたしから視線を逸らさずに見てくる。


なんなの、この男。


「口あんだから、何か言え」


何を言えって、言うのよ。


ここじゃ、あたしの意見なんてないようなモノじゃない。


「、、、別に」


だから、いつものように答えた。