君のことが大嫌いだった







「別に、情けないなんて思わないけどな。」



 先輩の綺麗な声が降ってきた。



「そんな事に俺はなった事無いからなんとも言えないけど、」



 先輩がそっと頭に手を乗せた。



「辛かったんだな。頑張ったよ。」




 そう言った。



 ただそれだけ。



 それなのに、なんでこんなにも涙が止まらないんだろう。



「恋香は頑張ったよ。ちゃんと生きたんだから。」




 なんでこんなにも胸を刺すんだろう。



 私は。