君のことが大嫌いだった







 
「おはよう」


 すると、未海は首を傾げながら


「おはようございます。先輩はなぜここに?」


 体育館の方へ向かった。


「寝坊した。」


 そう言うと、少し笑って言った。


「情けないですね」


 二人で太陽の陽を遮る木陰に入った。


「うるせーよ。未海は、体育じゃないのか?」


 俺も笑って言った。


「サボりです」


 そう言った。


 お互い話すことなく。


 体育館裏の大きな木。


 その木陰には小さなベンチがあった。


 そこに座ることはなく。


 木にもたれかかった。


 日なたは暑いと感じるくらいなのに、木陰はとても

涼しかった。


 やさしい風が吹き抜けていくような。