君のことが大嫌いだった








 思い出した。


 そうだ。あの日。


 珍しく部活が休みで琢磨とバスケしてたんだ。


 その時に琢磨が「友達が全中の決勝戦見に行くんだってー。羨ましい。」って言ったんだ。


 その時は、まだ両親と一緒に暮らしてたからその会話を聞いていた母さんが言ったんだ。「私たちも見に行きますか」


 それで。


「だから、あいつのこと知ってたのか。」



 見たんだ。



 左利きで。



 綺麗なシュートを打つあいつを。





 楽しそうにバスケやってる未海を。





「凄かったよねー!今でも、あの人の綺麗なシュートが忘れられないよ」


 琢磨が嬉しそうに言った。


「あぁ。そうだな。」


 春樹がとなりで嬉しそうに頷いた。


「また、渡野先輩がバスケを始めたら見に行こうな」


 春樹が琢磨に微笑んだ。


「うん、絶対ね!」


 琢磨が嬉しそうに言った。