「わーい!圭ちゃん、先行ってるね!」


 琢磨が元気よくボールを持って飛び出していき、それを春樹が追いかけていった。


 俺も急いで着替えて行くかー。


 俺が公園に着いた時にはもう、二人で1on1を始めていた。


 琢磨が俺に気づいて、


「圭ちゃん!見てて!フリースロー入るようになってきたんだ!」


 嬉しそうに言った。


「おー頑張れ、頑張れー」


 部活でバスケをしている時間も好きだ。


 でも、こうやっていとこ達とただひたすら遊んでるのも好きだ。


「あーあ。琢磨がフリースローの練習始めちゃった。当分俺等、ボール持てないね。」


 近くのベンチに座っていると、春樹が隣に座ってそう言った。


「そうだなー」


 琢磨は本当にバスケが好きなんだと思う。


 練習を始めると当分ボールを離さない。


 もう公園の桜は葉っぱに変わっていて、暑く感じる時期が多くなってきた。


「また、女バスが冬に県大会まで行ったよ」


「へー。強いんだな」


「おう!でも、去年の方が凄かったんだ!」


 春樹が目を輝かせて言った。


「全国大会で準優勝!惜しかったなー」


 全国で準優勝か。


 すげーな。


 あ。そういえば。