すぐ終わると言った通り、すぐに先輩は来てくれた。


 行くぞっと言って、勝手に歩いて行ってしまった先輩のあとを追う。


 宮田先輩は背が高く足が長いので歩幅が広い。


 だからついていくのに精一杯だ。


「あ、先輩。帰りはどっちなんです?」


「みんなと違う方」


 なるほど。


 私と同じ方向か。


 だったら、私のバスケを見たことがあるかもしれない。


「なんで、こっちの高校を選んだんですか?」


 私と同じ方向なら青田高校があるからバスケやるにはそっちに行く人ばかりだ。


「実家がこっちの方にあって、実家に住んでたんだけど2年生になってひとり暮らし始め
た。」


「へー」


「まあ、今住んでる方向にはいとこ家族がいるからそんなに不便ではないな。」


「いとこはいくつなんです?」


「今、中3?と小4だったはず。」


 中3・・・・・・。


 私の一個下。


「バスケ、やってるんですか?」


「いや、でも坂田中だったはず。」