「ふー、やっぱバスケやってない奴にも捕られるドリブルなんだな。」
後ろを振り向くと先輩がこちらを見てそう言った。
「パス。」
手を挙げている先輩にボールをパスする。
「ナイス。」
ボールを持つ先輩はやっぱり様になる。
先輩って、やっぱモテるだろうな。
「なぁ。」
先輩はボールをつきながら言った。
「はい?」
「どうやったら、カットされにくいドリブルができると思う?」
カットされにくいドリブル・・・
重心を下に下げること。
そのためには足の力をつけること。
けど、そう言ったらバスケ部だって、バレる。
そう思って、言わずに渋っていると先輩は突然言った。
「元バスケ部さん。」

