君のことが大嫌いだった









  
「カット、俺にしかけてくれない?」


 え…。


「私がですか?」


「他に人いないだろうが。」


 そう言うと先輩は、ドリブルをし始めた。


 マジか。


 私は中学の頃。相当、カット練習し続けてた。


 みんなから、『未海がカット、スティールしてくれるから、試合の雰囲気が変わるよ!!頑張って!』そう言われていた。


 ま、バレないよね。元バスケ部だったとか。

 
 うーん、先輩ってほんとしやすそうだな。


 やっぱ、背が高いされやすいよね。





 ダムダム・・・


 先輩のボールをつくタイミング見計らって、しかける。



 サッ。



 目の前のボールを右から取って、バウンドさせ斜め前に向けた。