君のことが大嫌いだった








  「よし。圭、あとは任せた。」


 光輝は最初から決めていたのかそう言った。


 「俺かよ」


 「圭がなんとなく色々知ってそうだし、翼が言ってだけど、相当なバスケセンスがあるなら圭のほうがいいと思って」


 「翼は?」


 「未海ちゃんの性格から、翼タイプはあんまり好きじゃないと思うんだよな。」


 そう言うと、翼は肩を落とした。


 「うん・・・・・・俺も圭のほうがいいと思う。なんか、性格似てそう。」


 「そうか?俺にはよく分からん。」


 「まぁ、そんなもんだろ。じゃあ、任せた。」


 「おー」


 光輝は本当によく人を見ている。


 後輩の悩みを聞くことが多いが、光輝はその悩みが分かりそうな、似ている者同士で相談させる。その方が喋りやすく感じるのが人間らしい。


 「あー、でも。女に聞いた方がいいってのも無いのか?」


 「うーん。未海ちゃんみたいにあんまり自分のことを喋らないタイプの女子は少ないと思うんだ。あと、口が上手そうだから、女じゃ簡単に流れそうだ。」


 「はー、お前よくそこまで頭回るなー・・・」


 翼は感心しながら、少し悔しそうに言った。


 「まぁ、人間関係とか、心理学とか興味あるしな。」