構えてはボールをつき、構えてはボールをつき・・・・・・・・・


 ちょうど隣で見ていた奴が、


 「早く打てよなー」


 と、呟いた。


 静かな中での呟きだったので、本人にも聞こえてたんじゃないかと思った。


 でも、集中しているのか、何かを考えているのか。


 聞こえてるような感じがしなかった。


 きっと、時間としては短かった。


 でも、俺には長く感じたんだ。


 彼女が目線をあげた。


 その時、ちょうど目が合った。


 まるで、「助けて」と言わんばかりに。


 すごく、悲しそうな顔をしていた気がした。