「晴夏さん!持ってきました!!」

「ご苦労様」

「はい!.......って、涼、お前なにしてんだよ」



子犬みたいにワン!と吠えたように見えた三佐だったが、涼に対しては呆れた様子。



「見て分かんねぇのか」

「晴夏さんの髪を触ってるな」

「分かってんじゃねぇか」



ケッ、と吐くように言う涼。


態度悪いなあ。



「なに買ってきたの?」



三佐が持っているコンビニのビニール袋を指して尋ねる。

それを待ってました!と言わんばかりにゴソゴソあさって目の前に差し出してきた。



「これです!」

「えーと、桜餅か」

「晴夏さん、和菓子好きですよね。丁度これが最後の1つだったんスよ」



ほほう。

最後の1つをよく手に入れることができたな。

そのビニール袋はこの辺にある店だな。
あそこはオバハンたちがよく行くところじゃないか。

そんな中ゲットできたのかお前は。



「ちょっと待て、俺のはどうした」



一旦作業を中断させて三佐に聞く涼。

すると、三佐はなんのことだと言わんばかりに首を傾げる。



「なんでお前のまで?俺は晴夏さんのだけしか注文受けてないぞ」