「健二さん歳はいくつですか?」

「22歳だよ。藍ちゃんは涼と一緒だよね」

「はい。健二さん、ご職業は?」

「美容師。親戚の店でやってんの。今度切ってあげようかー」



不思議だ。

執事さん....健二さんとこんなに話せてる。

もちろん緊張もしてるんだけど、ひとつひとつの会話が楽しい。

何気ない、そこらへんの会話なんだけどそれが楽しい。



健二さんのことが知れていく、それが楽しいのかもしれない。
普段なら、初対面の人と話すことを躊躇ってしまう私だけど、健二さんは別だ。



これも恋の力なのか。はたまた健二さんにそういう力があるのか。


どちらにせよ、今この雰囲気を壊したくない。
まだ話してたい。
もっと知りたい。



欲張りだろうか。



「あ、あそこの家で止めるからねー」



そう言って笑う健二さんにドキドキ。

でもお礼してもらったら健二さんと話すのも終わっちゃうなあ。

と、不良さんには悪いがそんなことを思ってしまった。

健二さんは窓を開けて後ろを確認しながら車庫に車を入れていく。
私も何気なく窓の外を見てみると、そこには驚きの光景があった。



学生から健二さんと同い年くらいの人たちが色んなことをしていた。



漫画を読んでたりバッドを振ってたりお喋りしてたり。

そして健二さんの車が入ってきたと同時に私のほうも注目を浴びた。



「うー....」

「ごめんな、怖いやつらじゃないんだけど。いつもこんな感じです」



健二さんが悪いわけでもないのに申し訳なさそうに言うもんだから、私のほうこそ申し訳ない。