「お礼してくれるんでしたら、是非お願いします!!」



これでもかという1000%スマイルを不良さんに向ける美和ちゃん。


私の肩を叩いたのはどうやら美和ちゃんだったようだ。ま、そりゃそうだよね。



「おう」

「この子結構人見知り激しくて、初対面の人とはあまり打ち解けないんですよー」



私の親か!と突っ込みたくなる。
紹介しなくても....。

それに、お礼って....、美和ちゃん意味分かってるのかな。不良さんの家ってことはカラクの人たちが集まってるんだよ。


そんなところに私を行かせるなんて!


美和ちゃん....、と見えない涙を流す。



「なら大丈夫だ。あそこにいるチャラいやつ、フレンドリーだし」

「ほう....。まさか矢野口くん協力を?」

「まあな。最近晴夏とのゲームも飽きてきたし、新しいゲームがあってもいいだろ」

「優しく扱ってね、繊細だから」

「誰に言ってんだ?当たり前だろ」



にっこにこと話す美和ちゃんに私は尊敬の念を抱く。


あの不良さんと仲良く話してるだと!?
美和ちゃん一体何者!?



すると、話はもう終わったのか「じゃあね」とさっさと去っていく美和ちゃん。


私はぐいっと不良さんに連れていかれ、有無を言わさず乗せられた。


うわ、ふかふか!!


ってそうじゃないしっ。




隣には不良さんが座り、運転席に執事さんが座った。



う、わ。



執事さんをこんな間近で見れるなんて。



感激すぎて心の底でもキャーッと騒げなかった。騒ぐ余裕がなかった。



注射した最初の痛みって、あんまないじゃん?
むしろ刺して1秒2秒辺りから激痛襲うじゃん。


それだよね、それ。