「にしても遅い。なにやってんだ、三佐は」

「そろそろじゃね?」



あれから既に30分も経過している。

そして相変わらず涼は髪をいじっている。
こいつ、不器用だな。私と同じじゃないか。



「まだできないの?」

「るせっ。くそー、ここがこうで....」



ぶつぶつ言いながら雑誌を手本に頑張っているようだ。

負けず嫌いもさすがだ。



「三佐遅ぇ、遅ぇ!!」

「うるせぇ!」



集中できないだろ!と叫んでるが、集中して30分も経ってんだよ。

もうそろそろ切れるだろ。



「お腹すいたー」



足をプラプラしながら三佐を待つ。



「三佐ー!」














「へいへいへーい!!!」



ドタバタ階段を上がってくる音が聞こえたかと思えば、バターンと扉が開いた。