カラク暴走族は私の下僕(短編集)

「は、晴夏ちゃんあれって」

「あぁ............ド派手だな」



校門の前に駐車されている真っ赤な車と、その車に寄りかかっている3名の男。

茶髪だったりピアスだったりチャラい。

しかもあの中にいる1人は私の彼氏ではないか。



謝りに来たのか?まさかな。



「あの車って健仁さんのだよね....」

「真っ赤な車ってあいつだけだったろ」



生徒が門から出る度に目を光らせているようだ。


そそくさと門から出る輩やチラチラ気にしている輩に、見ないフリをしている輩。


先生たちは注意しないのかと思ったが、トボトボと肩を落として戻ってくる数人の大人がいたので、結果は聞かなくても奴らの勝利に終わったのだろう。


全く、教師が聞いて呆れるわ。


私は門を出てその3人の前に立つ。
サヤカはぺこっと一礼していた。



「なにやってんの、涼」

「なんだと思う」

「知らねえから聞いてんじゃねえか」



喧嘩しても相変わらずだな。少しは頭を下げるということを_____。



「悪かった」

「................は」



腰を90度に折って頭を下げる涼に私は衝撃を受けた。


こ、こいつ........頭を下げるという行為が出来たのか。


ただ威張り腐ってるだけじゃなかったのか。

サヤカなんて顎が外れそうになってるぞ。



「な、なんだ急に。頭なんか下げやがって」

「悪い。今回は俺が悪かった」



今回はの“は”は気にしないでおこう。

下校する生徒からの視線がウザいが、そんなこと気にしてる場合じゃない。



「も、もういいから!」

「すまん」



謝り終わった涼が頭を上げ、車のドアを開けて「入って」と促した。

いつものように命令形じゃないのは罪悪感からか。


健仁の赤い車に乗り込んで走らせた。


健仁が運転、助手席にサヤカ。その後ろに私と涼、またその後ろは残りの駿利。



サヤカ、お前の苦手なタイプの健仁が隣でも我慢してくれ。今度なにか奢るから。