カラク暴走族は私の下僕(短編集)


***


「えーっ!矢野口くん、そんなこと言ったの?そりゃあ晴夏ちゃんが怒っても仕方ないよ!」



話し終えるとサヤカが私の味方をしてくれた。

だよね、さすがの私もあれにはプツリと切れたよ。



「そんなこと言うときは、涼が焦ったり、冷静さが欠けていたりする時だってのは分かってる」



分かってはいるけど、限度というものを知ってほしい。

私だって一応は女の子である。
彼氏に「お前には関係ない」と言われたら「あぁ!?」となるのが普通じゃないのか。


意図的にとはいえ、彼氏の部屋に下着があるのにそれを関係ないだと?



「矢野口くんが浮気なんてするとは思えないし、中河さんがやったのは私にでも分かるな」

「だよな」



私が気づいてるとこに、あいつは気づいてんのかな。



あー、本当にイライラする。
いつもは私にあんなこと言わないクセに、こういうときだけ言う。


自分に分が悪くなるとそんな言葉を盾にする。


あいつのそういうところが嫌いだ。




「は、晴夏ちゃん........」

「なに」



周囲をキョロキョロと見回しながら躊躇うように名前を呼ぶ。



「皆、怖がってるよ........」

「............は?」



苦笑いしながらサヤカが言った。

そして私ははたと気がついた。




腕を立てて足を組み、顔を強張らせてトントンと指で机を叩いていたことに。