カラク暴走族は私の下僕(短編集)

さて、どうしたものかとピンクの物とにらめっこしていたら扉が開き、涼が帰ってきた。



「おい、スプライト買ってきてやったぞ。あり難く思え」



相変わらずな上から目線で、ビニール袋をつきだしてきた。

それを受け取って中からスプライトを出し、プシュッと音を立てながらキャップを外した。



「つか、そんなとこでなにやってんだよ。まさかエロ本でも探してんのか?」



私の隣、ピンクのそれが置いてある反対側のほうに座り、そんなことを言ってきた。



「はあ?誰もてめえのエロ本なんぞ興味ねえよ。お前にはこれが見えないのか、これが」



人差し指で汚ならしいそれを指しながら涼のほうを向いた。

涼は「あん?どれだよ」と言いながら私の指差すそれを見て、息を呑んだのを見逃さなかった。



「これ、なに?」

「なにって............まんまじゃねえか」

「そうだね。だが私が聞いてるのは誰のものかってこと」

「それは.........」

「知らないとか言うんじゃねえだろうな。こんな派手なものがお前の部屋にあるって事実は変わんねえし」



涼が浮気なんてするとはこれっぽっちも思ってないけど、どういう経緯でこれがここにあるのか、ただそれが聞きたかっただけ。


決して疑っていたりしたわけではない。


涼は私の問いに斜め下を向きながら「中河のだよ」と呟いた。



「へえ。なんでここにあるの?」

「.........さあな」



むっ。



「知らないわけないだろ。あの女が来たのは分かってんだよ」

「だから、知らねえっつってんだろ」



埒があかない。
絶対こいつシラを切るつもりだな。

そんな否定されるとより一層疑惑がわくって、兄貴に教わらなかったのかよ。



「そんなこと言ってると、あの女とヤッたのかって普通疑うのが彼女なんだけど」



まあ、パンツを忘れて帰る女がいるとは思えないけどね。

意図的に置いたとしか考えられないし、これが置いてあったのだってベッドの下で、しかも若干布団で見えにくかったし。


そんな思考をしている私を他所に、涼はボソッと言ってはならないことを言った。












「そうだったら、お前に関係あるわけ?」













プツリ。