「......和也さんに彼女?」

「あぁ」



晴夏はまたまた眉間にしわを寄せて、は?と顔で訴えてきた。


俺、デートとか、女性を楽しませる才能ねえのかな。


こいつ全然笑わねえよ。どういうことだ。


兄貴の話題で笑顔になるとはこれっぽっちも思ってなかったけどよ、さすがにずっと楽しくないみたいな顔されるとキツい。


兄貴に言われたデートコースなんだが...。あいつに聞いたのが間違いだったのか?



「和也さんの彼女どんなの?」

「えっと......」



あいつの彼女、礼儀のなってないすんげえギャル。なんて言えなさすぎる。


この話、持ち出すんじゃなかった。


俺が目を泳がせていると、それとなく察しがついたのか「なるほど」という返事が返ってきた。



外は少々雲っている。


雨が降りだしそうだ。



「今度は何ヵ月持つんだろうな、和也さん」

「何ヵ月じゃなくて何日、だろ」



足を組み直して溜め息を吐く。

あんな兄貴をもって残念だ。女を見る目がなさすぎる。



「じゃあさ」

「あん?」

「私らはどのくらいもつと思う?」



含み笑いをしながら晴夏が尋ねてきた。




え?


は?