「えっ.......それがって.......いや、だから晴夏ちゃんは和也さんの元カノたちと同類じゃないってことだよ」
.........いや、だから?
頭の良い有名な妹を持っている晴夏ちゃん。
まあ、すごいと思う。
私には下がいないから、どういう心境なのかとかは分からないけど。
「だからってそれが、今までの女(ひと)と違うって根拠にはならなくない?」
「むっ、それはそうだが」
「華ちゃんの言う通り、明確な根拠ではないよねえ」
先程まで尊敬の眼差しでどこかを見つめていた響太だったのに、いつの間にか私の見方。
これが恋の下僕というやつか。
「まっ、どんなに美人でも華ちゃんのほうが可愛いし。僕は華ちゃんの言うことしか聞かないもんねー」
ぷいっ、と巻野から顔を反らす響太がめちゃくちゃ可愛い。
華ちゃーん、と抱きついてくる。
これまた可愛い。
これを見ていた巻野がぽつりと本音をもらす。
「なんか、あれだな。奏太よりも響太のほうが華と付き合ってるっぽいな」
「え、本当!?ふっふーん、奏太なんて僕眼中にないもんねっ」
ねー、華ちゃーん。と、これまた可愛い。
頬っぺたをすりすりとしてくる。
んもー、可愛いすぎるっ!!
響太は頬っぺたぷにぷにで柔らかくてすべすべだなあ。
「は?なんだと」
響太の言葉にどこかしらカチンときたのか、奏太が雑誌から目を外して睨む。
顔はこんなにも似てるのに、どうしてこう性格が似てないかなあ。
響太のほうは可愛い。奏太のほうはかっこいい。
2人ともイケメンなのは変わりないんだけど。
雰囲気で顔が変わる、っていうの?



