私たちがあれこれ晴夏ちゃんや自分たちの関係について語っていると、横から他のメンバーが絡んできた。



「でもお前らよく続いてるよな」



彼は他校の友達。
名前は巻野という。



「そろそろ5ヶ月かなあ」

「そうだな」



他人にはあまり話したくない内容だけど、巻野は信用できるやつだ。
というか、カラクは皆信用できるやつばかり。


私と大神双子のことを知って最初は驚いていたり、若干批判的に見られてはいたものの、慣れとは恐ろしいもの。


今や反対する人は1人もいない。

冗談めかしで言ってくることはあるけど....。



「華たちの話で気になったことがあんだけど」

「なに?なにかおかしなとこがあったかな」

「晴夏ちゃんのとこ」



あ、あまり気に入らないといったとこか。

でもそこがなんだろう。


響太は私のほうをチラリと見上げて「なんだろうね」と目で尋ねてきた。ように思えた。


巻野は少し誇らしげに鼻を鳴らした。

これから自慢話でも始まりそうな雰囲気だ。



「晴夏ちゃんの妹は、なんとなんと、あの佐々原冬美ちゃんなんだと!」



ででーん、と胸を張ってどや顔する巻野に私は目が点になった。


ん?なんだって?佐々原冬美って....?
んー、あれ。確かその名前って......。



「この辺りで有名な小学生じゃん!えっ、晴夏ちゃんの妹ちゃん!?すごーいっ」



響太が私の膝から飛び起きて拍手する。

確かその子って、頭が良くて、カラクで有名な子だ。


その頭脳を使って高校生の不良を言い負かしたとか、色々伝説作ってる小3の女の子。



「で、それがどうしたんだ」



奏太が全然興味ありませーん、とその辺の雑誌を読み始めた。