「どうだ、見えるか?」

「私の角度からは駄目。服装が少し見えるくらい」

「僕のとこからはバッチリ見える」



こそこそと涼の部屋を覗き見する。

上から、響太、私、奏太の順番で扉から覗いている。


どんな会話をしてるかは、少し聞こえてくるけれどもはっきりとは聞き取れない。



「え、マジ?どんな顔?」

「えっとねー、美人。めっちゃ可愛い」



うわー、と感嘆している響太。

そんなに美人なのか.....。



「あ、華ちゃん。心配しないでね?確かにあの女の子は華ちゃんよりも可愛いし美人だし、スタイルも良いけど、僕は華ちゃんが好きだからね?」

「..........それ喜んでもいいのかな」



響太って、自覚のない毒を吐くよね。



「って奏太。どこ触ってんの」

「あ、バレた?」

「奏太?なにやってんの」

「こいつ、私の太股触りやがった」



そう言うと響太の顔が少しばかりしかめっ面になった。


お、嫉妬か?嫉妬か?



「僕も触りたいー」



あ、そういう。



「ってちょっと!そこ太股じゃないでしょ!」

「えー、太股だよ。ギリギリ」

「このっ......」

「うわっ、華動くな!」



私が響太を足で軽く蹴りあげようとしたら、奏太に腕が当たってしまい、グラリと奏太が揺れた。



「うおっ」

「はっ!?バカっ、引っ張らないでよ!」

「は、華ちゃん!僕も引っ張らないで!」



転けそうになった奏太が私の腕を掴み、その反動で私も倒れそうだったので、響太の服を掴んだ。


すると、ドミノ倒しみたいに崩れた。


どこにって?





涼の部屋に、だよ。





「「「うわっ!」」」






ドテーン!