そんな、普通に彼らと溜まり場でイチャイチャしている時だった。

不意に、大神兄弟・兄の奏太が思い出したと話し始めた。



「そう言えば、最近涼に彼女できたみたいだぞ」

「それ僕も知ってるー。涼が付きまとってたらしいもんねえ」

「でも性格どうなんだろうな」

「あー、我が儘な子かなあ」



私を真ん中に挟んで涼の彼女の話をしている双子。


涼の彼女、っていうと確か.......ストーカー並みに付きまとってたよね。涼が。

だから、えーと、涼が今中1だから。彼女は私より1つ下か。



「じゃあ、今中1なのね」

「らしいな」



季節は夏。
そして今は夏休み。

涼の家の車庫で扇風機を回しながら涼んでいる。



「涼の女のセンス、大丈夫かよ」

「和也さんの女のセンスは駄目だもんねー」



和也さんは、涼の兄貴。
和也さん自身は良い人なんだけど、選ぶ女がすごく残念な奴ばっか。


その和也さんと同じ血をひいてるんだ。

どんな女かは........容易に想像できる。



「私、1回見てみたいわ」

「俺も俺も」

「僕も」



3人の意見が一致した。

私たちは顔を見合せ、傍にいたカラクのメンバーに尋ねた。



「なあなあ、涼の彼女ってどんな奴?」

「え?あー、確か結構美人だった」



話しかけられた男は読んでいた漫画から視線を外して私たちのほうを向いた。



「美人か......益々見てみたいわね」

「ねー」



ねー、とか言いながら然り気無く抱き付いてくる響太。

可愛い......。



「あ、なんなら見てみればいいじゃん」

「は?」

「今涼の部屋にいるぞ」



ピクッ



その言葉に我々は反応した。






そして3人で頷き、涼の家に入っていった。