「......っ!」



隣に座っている安藤さんは、とてつもない微笑みを私に向けていた。



「うん、それで?」



私服のパーカーについているフードが、安藤さんの顔まわりを可愛く見せている。



「え、あの、つまらなくないですか?」

「なんで?」



キョトンとする安藤さん。



「だ、だって美術部の話ですよ....?」

「うん、そうだね」

「あまり面白いものではないと.......」

「うーん、でもそれは_____」



そこまで言って、安藤さんはとびっきりの笑顔を私に振り撒いて





「俺が決めることだし!それにサヤカちゃん楽しそうだし!」





私にとって、とびっきり最高の言葉をくれた。


もう、もう、もう!
やばいやばい!

その笑顔でハート撃ち抜かれました!
いや、前から撃ち抜かれてたけど。

穴がもっと大きくなりました!



「それに、今までつるんできた奴らって俺に似た奴がほとんどでさ。類は友を呼ぶっていうの?美術部なんて大人しい部活に入ってる奴いなくてさ」



確かに、安藤さんのお友達(不良)が美術部に属していると聞いたことはないし、想像もつかない。



「色とかに惹かれたこともないし、絵も下手くそだし。だから誰かからそういうの聞くって、初めて」



ニカッと笑いながら私の顔を覗き込む。


カァァァァァァ


顔が真っ赤になった。