ガララっと、閉まっていたシャッターを晴夏ちゃんが上にあげて開く。


中は薄暗く電気はつけていないようだった。



「うーっす」



堂々と入って行く晴夏ちゃんに続いて私も後を追う。

車庫の中には2台ほど車が置いてある。


そして、そこには数10人程度の男子と女子がいた。
女の子のほうは2人だけだった。


あの子たちとは話し相手したことがないなあ。


だって明らかにギャルっぽいし。
なんか怖いし....。



「晴夏~、久しぶり!元気だった~?」

「おう、華絵もか?」

「もちろーん」



晴夏ちゃんはその女の子たちのほうに行ってしまって私は置いか行かれた。

これは晴夏ちゃんの優しさだとは思うんだけど、チキンの私は1人ぼっちにオドオドしてしまう。


シャッターが開かれたままなので光が差し込み、薄暗くはない。



「でさー、そん時あいつ何て言ったと思う?」

「さあ」



晴夏ちゃんたちはお喋りを始めたようで、私は本当にどうしようかと迷う。

安藤さんのところに行くべきか、行かないべきか。


チラリ、と安藤さんがいるところを盗み見る。

けれど彼は友達とトランプをしている。
私が今行ったら絶対邪魔だ。

トランプをしている相手の人も、髪の色が赤とか派手な色ばかりで、やっぱりそっち系の人なんだと理解する。


どどどどどうしよう!!

1人になっちゃったよ!


晴夏ちゃん、私と安藤さんを話させようとしてくれるのは有難いんだけど.....。


私にその勇気があるかないかと問われれば、即答で後者になってしまう。




私は相変わらずオロオロしていると、不意に安藤さんとばっちり目が合った。