カラク暴走族は私の下僕(短編集)

私の名前は田野倉(たのくら) サヤカ。


頭脳平均、運動平均、顔平均、身長平均の平々凡々な中学生。


しかし、こんな普通の私でも1つだけ、他の女子とは明らかに違う所がある。

それは、親友_____いや心友の佐々原晴夏という存在。

なぜ親友が他と違うかって?それはですね。



「なあサヤカ。お前今日溜まり場来るか?」



この親友、不良なんです。

見た目はすごく可愛い。美少女というのはこの子のためにある言葉。つり目なとこも強気でなんとも。


けど性格が男勝りというか、なんというか。
不良の彼氏はもちろん不良なので、彼氏くん____矢野口くんも結構なヤンキーでいらっしゃる。


結構どころか、ボス的な感じ。



「た、溜まり場かあ」

「おう。久しぶりだろ、お前」

「うーん.....」

「まだ慣れてねえのか?」

「だって怖いもん」



ほら、クラスメートの顔見てよ晴夏ちゃん。

すごく怯えてるよ。

晴夏ちゃんは西中の矢野口彼女ってレッテルを貼られてるんだから....。



「じゃあサヤカ行かねえのか」

「え!?い、いや.....」

「あん?」

「行きます」



あんな怖いところ、本当は行きたくないけど。
でも、晴夏ちゃんがいるし、そ、それに....。



「安藤がいるから、か?」

「ひいいいい!なななななぜそれを言うのだ!」

「言うのだ、って.....」



思わずカバンを落としてしまったので、慌てて拾い上げる。


あそこに行くのは、晴夏ちゃんがいるからと......安藤さんがいるから。



「あんなののどこが良いんだか」

「むう、安藤さんは格好いいんだよ!」

「あんなハゲがね」

「....バカにしてるでしょ、晴夏ちゃん」



確かに安藤さんはボウズだけど、それがまた格好いい。
剣道してたんだって、中学生まで。

やめた理由は分からないけど。



「じゃ、行くか」

「うん!」



膝下までのスカートを翻してスタスタと教室を出ていく晴夏ちゃんに着いていく。
















晴夏ちゃんのスカートが長い理由?

矢野口くんの独占欲だそうです。