でも…、
細身の顔立ちにしては、妙に身体つきがガッシリしているのが気になる。
思わずガン見していると、その男とバッチリ目が合ってしまった。
しまった…、
と思っても、もう遅い。
その男は私を視界に捕らえると、そのまま動かなくなってしまう。
「す、すみませ………」
言葉がそのまま止まってしまった---
メガネでその人物の顔がいまいち分からなかったけどある事に気がついた私は一瞬、息が止まりそうになった。
「恢…」
私の囁くような小さい声を聞き取ったらしいその男は、私の声を聞いて固まっていた身体がまるで氷が溶けたようにピクリと動く。



