紅Ⅱ(クレナイ)~解き放たれる鎖~




放課後になった。


この日の放課後は文化祭実行委員会があり、それに生徒会メンバーは全員強制出席。




無論、補佐である私も出席しなければいけない。


しかし時政先輩に顔色が悪いから生徒会を休むよう言われているので、お言葉に甘えて今日は帰らせてもらう事にした。




だから今は私は自分の部屋へと戻るべく、寮へと向かって…いた。




…そう、さっきまでは向かっていたんだけどでも結局、恢の事が気になってしかたのなかった私は学園前にタクシーを呼び、恢がいると言われた場所へ向かう事にした。




取り合えず恢がいると言われたところの駅前で降ろしてもらい、そこで佇む。


目の前を行きかう人の数はそれ程多くはない、あまり拓けている駅前ではないのだ。




朝から降っている雨は今だ止む事はなく、今もまだ降り続いている。




赤い傘をさした私はその雨を気にする事なく、京極さんから聞いていた場所と一致しているか辺りを確認した。