「…あの」 「俺はよく夜の散歩をするんや」 「………」 「せやから綾香ちゃんが鷹とここで毎日会ってんのは、前から知ってるんやで」 前から? …全然、気付かなかった--- 他にも知ってる人がいるのかな? 驚いていると…、 私に向かって伸びてきた京極さんの手にすぐ気付き、スッと一歩後ずさった。 それに対し目の前の男は気持ちの悪いほどニヤリと笑みを浮かべ、そして手を下ろす。