紅Ⅱ(クレナイ)~解き放たれる鎖~



「…あの」


「俺はよく夜の散歩をするんや」


「………」


「せやから綾香ちゃんが鷹とここで毎日会ってんのは、前から知ってるんやで」




前から?


…全然、気付かなかった---




他にも知ってる人がいるのかな?




驚いていると…、


私に向かって伸びてきた京極さんの手にすぐ気付き、スッと一歩後ずさった。




それに対し目の前の男は気持ちの悪いほどニヤリと笑みを浮かべ、そして手を下ろす。