紅Ⅱ(クレナイ)~解き放たれる鎖~




暗闇の中、ゆっくりと歩きながら辺りを見渡した。




学園の生徒達はもう寮に戻っているのか、外出している者は見当たらない。


人っ子一人いない学園の外れにあるちょっとした森の中を、毎日のようにこうして歩くのはいつもの事…




そう言えばここ最近、夜はめっきり肌寒く感じてきたように思う。


それでもまだ、上着を着るほどではないかもしれないなと土を踏みしめた。





何となしく空を見上げると、雲の裂け目に星々が煌めいてて綺麗だ。


今日は空一面に星が見えないのかぁ…



少し残念に思いながらそれでも山から見える夜空は、都会とは比べ物にならないくらい澄んでいて気持ちが良い。




心地よい夜風を身体に纏いながら…




あれ?




と、足を止めた。