暗闇の中、ゆっくりと歩きながら辺りを見渡した。
学園の生徒達はもう寮に戻っているのか、外出している者は見当たらない。
人っ子一人いない学園の外れにあるちょっとした森の中を、毎日のようにこうして歩くのはいつもの事…
そう言えばここ最近、夜はめっきり肌寒く感じてきたように思う。
それでもまだ、上着を着るほどではないかもしれないなと土を踏みしめた。
何となしく空を見上げると、雲の裂け目に星々が煌めいてて綺麗だ。
今日は空一面に星が見えないのかぁ…
少し残念に思いながらそれでも山から見える夜空は、都会とは比べ物にならないくらい澄んでいて気持ちが良い。
心地よい夜風を身体に纏いながら…
あれ?
と、足を止めた。



