紅Ⅱ(クレナイ)~解き放たれる鎖~



「…まぁいい。それより明日は来るのか?」


「………」



ティーカップに口をつけながら首を傾ける私に、蓮がため息一つこぼす。





「明日…、聞いてみる」


「今はまだそんなに忙しくはない。来たくなかったら来なくていいと伝えておけ」


「うん。分かった」




私に一瞥しすぐに目の前にあるコーヒーに視線を向け手を伸ばす蓮の一連の動作を見ながら、生徒会室に顔を出さなかった良牙の事を考えた。




明日…、良牙は私と話しをしてくれるだろうか?



少し離れた窓から見える秋の空を見ながら、不安な気持ちをみんなに悟られないよう心の中に押し込めた。