紅Ⅱ(クレナイ)~解き放たれる鎖~



「綾香殿が来る時は良牙殿も必ず来るというのに、来ないとは珍しいですね」



ここにいる皆の視線が一気に私に集まったのを感じて、身体が縮こまってしまった。




「あ…のね、えーっと…」


「ホラみんな、綾香が困ってるじゃないですか」


「どうせ兄弟喧嘩でもやったんだろ?」



いや、あの…ケンカはした事ないんだけどね…


あぁ、今回のはケンカなのかな?





ズズッ---





思わずお茶を飲むみたいに音をたてながら、甘いマシュマロ入りのミルクティーをすすった。