「………?良牙、どうしたの?」
「………」
良牙の顔を覗き見ようとしたけど、顔を背けられてしまった。
急にどうしたのよ?
わけが分からない---
口を開きかけた私の事などお構いなしに歩こうと、一歩足を踏み出した良牙の肩に手を置いた。
パシッ---
しかしそれはすぐに、良牙の手によって払われてしまう。
「良牙?」
良牙はそのまま私を見る事なく目的の教室とは反対方向へと、私を置いて歩いていってしまった。
どうしよう…。
これは聞いてはいけない事だったのかもしれない。
私はただ唖然と、良牙を見送ることしか出来ないでいた。



