紅Ⅱ(クレナイ)~解き放たれる鎖~



「………?良牙、どうしたの?」


「………」



良牙の顔を覗き見ようとしたけど、顔を背けられてしまった。




急にどうしたのよ?


わけが分からない---




口を開きかけた私の事などお構いなしに歩こうと、一歩足を踏み出した良牙の肩に手を置いた。




パシッ---


しかしそれはすぐに、良牙の手によって払われてしまう。





「良牙?」


良牙はそのまま私を見る事なく目的の教室とは反対方向へと、私を置いて歩いていってしまった。




どうしよう…。




これは聞いてはいけない事だったのかもしれない。


私はただ唖然と、良牙を見送ることしか出来ないでいた。