「綾香」
その長身は少し離れた場所にいる私の事を見つけ出すと女の子達の輪からすぐに抜け出し、こっちに向かって颯爽とやって来た。
「チッ…」
「…なんだ。良牙も一緒か」
オレンジメッシュの髪をなびかせながら、私の横にいる良牙の顔を見て顔を歪めた。
そして互いに視線が絡まると睨み合う…がすぐに私に視線を寄こし、目を細め笑みを向けてきたこの男は朝会ったばかりの 芹沢 鏡夜だった。
先程まで鏡夜を取り囲んでいた女の子達は鏡夜の後を追ってきて、鏡夜の腕や身体に絡みついてくる。
そんな女の子達に一瞬、眉をピクリと動かし不快な表情を見せたが鏡夜はすぐに、いつもの笑みを顔に貼り付け周りの女の子達に口を開く。
「ごめんね~。ちょーっと生徒会の補佐に用事があるんだ。だから離して…ね?」
「えーッ!じゃぁ、今日こそ私の部屋に来るって約束してくれたら離すから~」
「あぁ…。遊ぶのはもう止めたって前に言ったよね?」
困ったような表情の鏡夜にダダを捏ねるように腕をユサユサと揺らしながら、上目遣いで見上げるその瞳にはバサバサと付けまつ毛が主張している。



