「…蓮以外のニオイがする……。誰だ?」 「………ッ」 良牙の言葉にすぐに、京極さんが思い浮かんだ。 けれど、それを良牙には言いたくない--- 「綾香?」 早く言え、とばかりに睨みつけられているのを横から感じる。 良牙には”狼”の遺伝子が体内に入っているから、鼻が凄く利く。 本当に無駄に良すぎて、それがイヤになる時もある。 今がそう…。 でもそれは私の事を、心配しているからなんだけどね。 観念した私は窓の外を見たまま口を開いた。