【京極SIDE】
「ま~たね、綾香ちゃーん。……クッ…、クックックックッ…」
階段を降りていく二人に口角が上がり、そして思わず…と言うように笑いがこぼれてしまった。
俺の事、気にしないよう見せてもそんなん隠せへんで。
全身が俺と言う存在を、気にしまくってるのが丸分かりや。
ホンマ笑ってまう。
見えなくなった二人を見送った後、階段の踊り場にある窓から外を眺めた。
下を見ると多くの生徒達が校舎へと続く道を歩くのが見える。
暫くその生徒らを見ていたが、すぐに視線を別の方向へと向けた。
それは校舎の一階、今は使われていない教室。
ドアが、開かれた。
教室に入ってきたのは、二人---
先程まで自分と対峙していた二人を見た瞬間、口角が上がった。
二人仲良くキスねぇ…
のんびりさんやな---



