紅Ⅱ(クレナイ)~解き放たれる鎖~



「………そうだな」



軽くため息をついた蓮に、不安になってしまった。


蓮はこんな態度をとってしまった私を、どう思っているのだろう?




ソロリ…と蓮を仰ぎ見ると、その瞳にギクリと身体が強張り目を見張る。


睨みつけられた蓮の瞳と、私の瞳がかち合った。





ううん、違う---



睨みつけるその瞳の先を見ていたのは、私ではない。


私を逸れ、斜め上を向いているのだ。




どこを見ているの?




その視線をたどって、窓の外を見てみた。


しかし見えるのは、先程までいた特別校舎と少しばかり視界に入る校庭のみ。





他に何が?


視線を動かし探してみるが、特に気になるところはない。




もう一度、視線を蓮に向けるといつの間にか蓮は私を見ていた。