「………そうだな」
軽くため息をついた蓮に、不安になってしまった。
蓮はこんな態度をとってしまった私を、どう思っているのだろう?
ソロリ…と蓮を仰ぎ見ると、その瞳にギクリと身体が強張り目を見張る。
睨みつけられた蓮の瞳と、私の瞳がかち合った。
ううん、違う---
睨みつけるその瞳の先を見ていたのは、私ではない。
私を逸れ、斜め上を向いているのだ。
どこを見ているの?
その視線をたどって、窓の外を見てみた。
しかし見えるのは、先程までいた特別校舎と少しばかり視界に入る校庭のみ。
他に何が?
視線を動かし探してみるが、特に気になるところはない。
もう一度、視線を蓮に向けるといつの間にか蓮は私を見ていた。



