「綾香が鏡夜と仲良くしてんの、みていたくねぇしな」
「へっ?」
ボソッとそう呟くと、もう一度、ポンポンと頭を軽く叩く。
蓮?
名前を呼ぼうとしたところで、蓮が私から離れた。
途端、蓮の温もりがなくなり肌寒く感じる。
不安げに蓮を見上げると、フッと笑った蓮が今度は私の肩を抱いてきた。
蓮の温もりが戻ってきて、私の口元が緩む。
「さ、行くか」
「ん…」
その言葉に1つ頷きそして二人、暗い通りを歩き始めた。
それから私達は今まで離れていた分を取り返すかのように歩きながら、たくさん話した。
良かった…。
蓮と、元の関係に戻る事が出来て---
心の中でひっそりと安堵しながら、蓮と今までの分を取り戻すかのように笑い合った。